―私が“気にしなくて済む家”をつくれた理由―
「建つ前の建売って、どこまで変更できるの?」
購入を決めた当初、何度もこの言葉を検索していました。
“建売=変更はできない”
そんなイメージがありながらも、どこかで、
建築前なら色の変更くらいはできたりしないかな…
と、淡い期待をしていました。
実際に打ち合わせが始まってみると
その期待はいい意味で裏切られて
想像していたよりもずっと多くのことを
“選ばせてもらえる”時間でした。
まず渡されたのは、ひとつの仕様書。
その中から、
「選べるところを選んでいく」というスタイル。
間取りや構造は変えられないけれど、色や質感、
設備の一部は、私たちの希望を聞いてもらえる。
そのことが、少しずつ
この家を“私たちの暮らし”に近づけていきました。
玄関ドア ――「見えない」で、気持ちが楽になる
最初の玄関ドアは、
上から下まで採光窓が入ったタイプでした。
でも私、外に人影が映るのがどうしても気になって。
上のほうに小さな四角い窓があるだけの
玄関ドアに変更してもらいました。
結果、土間収納の横にも窓があるので
玄関の明るさは十分。
“見えない”ことで、毎日の中にあった小さな違和感がすっと消えて。
私にとっては、それで十分でした。
ポーチタイル ――「汚れが気にならない」色へ
当初の予定では、ポーチは黒。
でも、黒って靴の泥汚れが乾くと白く残りやすい。
かといって、白系はやっぱり汚れが目立つ…
その間で悩んで、真ん中のグレーにしました。
建築途中の内見で、雨上がりのポーチを見たとき
お隣の黒いタイルには靴のあとが白く残っていて。
でも我が家は気になるほどの汚れがない。
「あ、これでよかったんだ」
って、静かに思いました。
浴室の壁・門柱・床 ――「きれいに保つ」より、「気にしなくていい」
浴室の壁は、最初は黒の予定でした。
確かにおしゃれ。でも、水垢が目立つ。
それが、どうしても気になって、
私はアクアカラー(水色)に変更しました。
内見で見た浴室は、明るく、広く見えて、
水垢のことを考えても
やっぱりこの色にしてよかった、と思えました。
門柱も、当初は黒の予定でした。
でも砂埃や水垢が、きっと目立つだろうなぁって。
毎日目に入る場所だからこそ、
そこで「また汚れてる…」って思いたくなくて、
ホワイト×木目のデザインに変更しました。
あとは宅配ボックス。
ネットで買い物をすることが多い我が家にとって、
これは迷わず、“つける”選択でした。
再配達や、受け取りの時間に縛られたりしないだけで
時間と気持ちに余裕が持てるように。
白になる予定だったフローリング。
これはブラウン系に変更しました。
ペットがいること、汚れが目立ちにくいこと。
それに正直に言うと、
白い床にどこか建売っぽさを感じてしまって。
この家で暮らしていくことを考えたとき、
私には白よりもしっくりきました。
床の色に合わせて、キッチンボードも近い色味に。
家の中のトーンをそろえることで、
生活感があっても、どこか落ち着いて見える。
だから散らかっていても、
「まあ、いっか」と思える。
そんな空間をつくるために。
水栓 ――「あとで後悔しない」ための、ひと工夫
駐車場の散水栓とは別に
もう1か所、水栓を増やせると聞いて、
庭に立水栓を増やすことにしました。
そして私が真っ先に思ったのは、
「お湯も出したい」ということ。
夏にプールをするとき、
水が冷たすぎて、子どもがすぐに入れない。
毎年家でプールするとき
キッチンでお湯をくんで混ぜたり、
前もって水をためて、
日光で温まるのを待ったりしていました。
正直、あの“ひと手間”が、けっこうなストレスで。
水を何度も運ぶのも重たいし、
途中でこぼれるのも地味に面倒。
庭でもお湯が出たら、超いいじゃん
そう思ったんです。
それに、海帰りの砂、
公園の汚れが付いた服とか道具たち。
「外でざっと流せたらいいのに」
と思う場面も、意外と多い。
お散歩帰りのペットの足を
さっと洗えるのも助かる。
最初、夫は「外でお湯…必要かな?」
という反応でした。
でも、
「洗車のとき、お湯が出たらよくない?」
と伝えたら、
「間違いない、絶対お湯が出たほうがいい!」
と、あっさり賛成に。(笑)
庭の水栓を混合水栓にするのは、
少しだけ追加料金がかかりました。
それでも、使える場面が増えたし、
「やっぱりこうしてよかった」と思える選択でした。
私たちにとってこれは、
便利さのためというより、
「やっぱり不便だった」
「やっぱりあの時、やっておけばよかった」
そう思わないための、
小さな工夫だった気がします。
ホスクリーン ――「干しやすさ」より、「邪魔にならない」場所
部屋干しがメインの我が家では、
ホスクリーンを2階に2か所つけることにしました。
南に面した寝室と、子ども部屋。
それぞれ、窓の近くです。
最初は、いちばん日が当たる位置に、
窓と平行につける予定でした。
でも、寝室の家具の配置を考えると、
ベッドの上に洗濯物がぶら下がることになる。
それって、正直、かなり邪魔だし、
洗濯の湿気がベッドに伝わるのも嫌で。
日当たりがいいことよりも、
暮らしの中でストレスを感じないことを優先して
取り付け位置を変更してもらいました。
日が当たる面積は、少し減っちゃうけど、
ホスクリーンはベッドの足元側に移動。
ドアからベッドに向かう動線と重なるけど、
その動線って、寝るときと起きるときくらいしか使わない。
毎日の生活の中で、
「邪魔だな」「気になるな」と思わなくて済むほうが、
私には、ずっと大事でした。
コンセント ――「あとで困らない」ための配置
コンセントは家じゅう、
いろいろな場所に増設しました。
理由は、すごく単純で、
「延長コードを使わない暮らしにしたかった」からです。
キッチンボードまわりは、
もともと2口の予定でした。
でも、家電を並べることを考えると、
どう考えても足りない。
炊飯器、電子レンジ、
トースター、コーヒーメーカー……
「あと1口あったらな」と思う未来が、簡単に想像できました。
だからそこには、追加で2口。
寝室も同じです。
ベッドの両側にあるほうが絶対に便利。
片側だけだと、
充電するたびにコードを伸ばしたり、
「遠いな…」と小さくストレスを感じる気がして、
左右それぞれに配置してもらいました。
それから、外の防水コンセント。
ホットプレートでの簡単なBBQ、
高圧洗浄機、電動の空気入れ…
「たまに」だけど、
会ったら絶対に助かる場面って、意外と多い。
どれも小さなことだけど、
毎日の「ちょっと面倒」を
少しずつ減らすための工夫。
2階の水栓 ――「可動棚」より、「使える場所」
家の完成予定図面をもらったとき、
2階トイレの壁一面に
可動棚が付く予定になっていました。
でも、2階のトイレに上から下までの棚って
……必要ある?
トイレにしまいたいものなんて、ほとんどない。
だったら、棚よりも、
“ちょっと使える水場”のほうが、ずっと実用的じゃない?
トイレ自体は水栓付きでしたが、
あれは流さないと水が出ないタイプ。
私は、トイレの後の手洗い以外にも、
2階で水を使いたい場面って、結構あるよなあって。
加湿器の給水、ペットの飲み水、
少し手を洗いたいとき、バルコニーの掃除。
そのたびに、1階まで水を汲みに行くのは、
正直、なかなか面倒じゃない?
そう思って相談してみると、
追加工事にはなるけれど
棚から水栓スペースに変更できるとのことでした。
トイレの中ではあるけれど、
「2階でも水が出せる」というだけで、
暮らしは、確実に楽になる。
ただただ、最高。
変更可能なタイミングでその案が浮かんだのは、
ファインプレーだったと思います。
私が、ずっと減らしたかったもの
こうして振り返ってみてひとつ、
はっきりしたことがあります。
私は、
「少しでも汚れないこと」
「掃除を極力減らすこと」
そして、
“汚れている・不便だと気づいているのに、見て見ぬフリをしている自分へのストレス”
それを、とにかく減らしたいんだなあって。
胸を張って言えることじゃないけれど、
散らかっている環境でも、多少の汚れでも、
暮らせなくはない。
でも「散らかってきたな」「汚れてきたな」って
気づいちゃうんです。
気が付かなければ楽なのに…
「片づけなきゃな」
「でも、今はめんどくさいな」
やらなきゃいけないのはわかってる。でも…
そんな考えが頭の中を巡っているうちに
心の余裕が削られて、なんかイライラしてしまう。
だから、新しい家は、
“気にならない仕組み”を
最初からつくりたかった。
建築前の建売だからこそ
ここを大切できたんだと思います。
汚れが目立ちにくい色を選ぶこと。
後回しにしなくて済む動線をつくること。
「あとでやる」を、暮らしの中から、
少しずつ減らすこと。
“きれいに保つ家”じゃなく、
“気にしなくて済む家”を育てたいと思っています。

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