— 注文住宅にしなかった、私たちの家づくり —
築年数の古いマンションに住んでいた、私たち。
新しい命を授かり、家族が増えること、そして娘の小学校入学を前に、引っ越しを考え始めました。
せっかちな夫と、
不確定なことがあると落ち着かない私。
引っ越しの話が出た翌日には、近隣の賃貸マンションの内見に行っていました。
私たちが住んでいたマンションは、築30年ほど。
古さはあるけれど、家賃は安くて、日当たりもよく、間取りも広い。
不満ばかりの家ではなく、ちゃんと気に入って暮らしていた家でした。
だからこそ、内見に行っても「今の家を超える」と思える物件にはなかなか出会えず。
「引っ越し、いったんやめる?」
そんな空気になっていた頃、
“強いて言うなら、ここかな”と思える物件がひとつだけありました。
築年数は今より少し新しい。
でも、間取りや設備には妥協しなければならない部分もある。
それなのに、家賃は今よりプラス3〜4万円。
そのとき、ふと、こんな考えが浮かびました。
「その家賃なら、家を買ったほうがよくない?」
01|注文住宅に惹かれた。でも、同時に見えてきた“しんどさ”
家を買うと決めたとき、最初に思い浮かんだのは「注文住宅」でした。
自分たちで一から決めて、理想の家をつくる。
SNSを開けば、おしゃれで素敵な家がたくさん流れてきて、「せっかくなら、こだわりたいよね」と思っていました。
でも、考えれば考えるほど、不安も大きくなっていきました。
自由度が高い分、選択肢は無限にある。
外観、間取り、素材、設備、照明、造作…。
きっと打ち合わせを重ねるうちに、
「ここ、もう少し良くしたい」
「やっぱり、こっちのほうがいいかも」
そんなふうに、こだわりたい部分がどんどん増えていく。
今はSNSで、洗練された家がいくらでも目に入る時代。
そこを目指そうとすれば、きっと金額も膨らんでいく。
最終的にいくらになるのか。
どこで線を引けばいいのか。
その“終わりの見えなさ”が、私には少し重たく感じられました。
理想の家をつくりたい気持ちはある。
でも同時に、“家づくりに追われ続ける未来”も想像できてしまったんです。
02|「建つ前の建売」という選択肢
そんなときに出会ったのが、「これから建築される建売住宅」でした。
実際の物件は、まだ整地の途中。
外観も、家の中も、もちろん見られない状態。
正直、最初は不安でした。
でも、ハウスメーカーに足を運ぶ中で、
- 外壁の色
- 建具の色
- コンセントの増設
- 細かな仕様変更
そんな“暮らしに直結する部分”を、可能な範囲で相談できることがわかってきたんです。
「ここまでなら、自分たちの意見を入れられるんだ」
そう思えたことが、内覧をせずにこの家を選ぶ決め手になりました。
そこからは、担当の方と打ち合わせを重ねたり、
家に帰ってから夫婦で話し合ったり、調べものをしたり。
限られた選択肢の中でも、思っていた以上に悩むことはたくさんありました。
それでも、全部を一から決める注文住宅に比べたら、
「決める範囲が限られている」
ということ自体が、私たちにはどこか安心でもあって。
打ち合わせを重ねる中で、夫婦で何度もこんな会話をしました。
「……私たち、注文住宅だったら大変だっただろうね(笑)」
大枠は決まっている。
でも、その中で自分たちらしさをちゃんと入れられる。
このバランスが、今の私たちにはちょうどよかったんだと思います。
03|どんな選択でも、「こうすればよかった」はきっとある
もうひとつ、私の中で大きかったのが、
“どんな家でも、後悔はゼロにならない”
ということでした。
どんなにこだわって建てたとしても、
「こっちの間取りにすればよかった」
「あの設備、やっぱり欲しかった」
そんな気持ちは、きっとどこかで出てくる。
SNSや、誰かのお家を見れば、なおさらです。
でも私は、
「自分で全部決めたのに、ずっと後悔し続けること」
それが、いちばん苦しくなりそうでした。
だからこそ、
“最初から決まっていた部分”があることで、
いい意味で諦められる余白がある。
そのほうが、私には合っていた気がします。
04|もう、最初から、この形がよかった
完成済みの建売なら、実際に内覧はできる。
でも、自分たちの意見を反映できる部分はほとんどありません。
その点、私たちが選んだ“建つ前の建売”は、少し違いました。
外壁の色を選んだり、
コンセントの位置を相談したり。
完成前なのに、自分たちが家づくりに関わっている感覚がちゃんとあった。
だから私は、かなり早い段階から、
「注文住宅より、この形のほうが私たちには合っているかもしれない」
と思っていました。
気づけば、完成前からもう愛着があって。
家ができていく時間そのものが、楽しみになっていたんです。
今振り返っても、思います。
「もう、最初から、この形がよかった」
05|追いかけた理想より、ここが私たちの理想だった
家を買うと決めてから、SNSでたくさんの“理想の家”を見ました。
広い家。
おしゃれな家。
洗練された家。
正直、憧れもありました。
でも、その家に住む家族と、私たちは違う。
生活スタイルも、家族構成も、性格も、全部違う。
真似をしたからといって、それが自分たちに合うとは限らない。
だったら私は、
“いちばん素敵に見える家”
よりも、
“いちばん無理をしないで暮らせる家”
を選びたかった。
私たちが選んだのは、たぶん、
完璧な家ではありません。
でも、
自分たちに合った形で、
無理をしすぎず、
ちゃんと愛着を持って暮らせる家。
それが、今の私たちにとっての理想だったんだと思います。
住み始めてから感じたことや、
「やってよかった変更」「ここは迷った」
という話も、これから少しずつ書いていこうと思います。

コメント